自治体システム標準化、首相表明 25年度末までに
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標準化は非常に望ましいことですが、相当トップダウンを効かさないと規模から考えると構想策定だけで数年かかってしまうかも知れないですね。
典型的なスクラッチ、オンプレベースの開発でやってきた重厚長大型のSIベンダーでは、かえって業務コスト=税金を増やしてしまう可能性があるので、クラウドネイティブでITサービス開発しているUXを十分に理解した新興業者や外国人材の登用など、プロジェクトの体制、進め方自体をしっかり練った上でロードマップの整理をしたほうが良いと思います。
注目のコメント
最近このクラシックなテーマには携わってないのですが、標準化には2つの方法があります。1つはバラバラの縦割り個別部門ニーズからの要件から公約数として標準化できる領域を探すアプローチ。もう1つは標準化されたものをベースに行政サービス提供するようにするアプローチ。前者はIT改革とボトムアップで、後者は業務改革とトップダウンです。もちろん大抵はその重なる部分で頑張るわけですがアプローチの識別が大切です。
日本人は前者を圧倒的にとります。理由はいろいろありますが、リーダーシップの欠如という人もいますが、現場への過剰配慮、忖度などもあります。専門家の士農工商も地域差があるのでデジタル人材が現場の業務を統制できません。当然です。それはデジタルしか知らない人間を充てるからです。T型人材で言えば、縦には業務、この場合は行政サービスを知っている人が重要です。願わくばH型。
前者は現場把握と要件定義に膨大な時間と金がかかります。後者はスターダードの押し付けで現場が混乱します。前者をうまくやるのはITのエンジニアリングに長けた人、後者をうまくやるのは業務のエンジニアリングに長けた人。
SAPの世界最大ユーザはウォルマートやアップルやネスレなどの巨大企業と並んで実は世界の中央官庁でした。普通に標準化された行政サービスのベストプラクティスを使って、サービスを提供してます。売上(税収)当たりや従業員(人口)当たりやトランザクション(特定業務処理)当たりの単位原価が10倍以上つくのがこの仕事です。その10倍というのは、システムの標準化ではそれほどつきません。業務の標準化で差が付きます。シェアードサービス的にまとめられるノンコア領域では、標準化にたいして差が付きません。標準化に差が付くのは差別化や個別特有だと思われている領域の標準化能力です。特殊だと言われる聖域を、標準の組み合わせで表現する能力です。色は1677色、それをデジタルで表現すれば00からFFのRGBの256の組み合わせです。引っ越しや出産や給付金など一つの行政サービスの単位当たりコストは1/10にできます。カスタマーエクスペリエンスも10倍にできます。
大手SIかネット企業か外資系がでは、差が出ません。パッケージか手作りか、オープンソースか、それでも誤差です。自治体業務の標準化か、自治体システムの標準化か、そこに差が出るのです。作業部会のメンバーです。議事次第や資料はまもなく公開されると聞いていますが、省庁の厚い壁をぶち抜く施策や、増築を重ねて迷路のようになっている行政システムについて、現場の状況も踏まえつつ、「引き算」を行うプランなどが議論されました。水面下あるいは表立って、摩擦も起きると思います。
また、よく言われることですが、IT化やデジタル化はあくまでも手段ですので、そもそも行政サービスはどう変わっていくのか。その先の社会や暮らしはどう変わっていくのか。これらがリアリティをもって示されないと、例えば、見出しにある「標準化」がいつのまにか目的になってしまうのが、過去、何度も繰り返されてきたことです。ITベンダーの面々の都合には流されず、その一方で無茶な価格で買い叩くこともなく、「本当に必要なシステム」だけをのこして業務をスリム化してほしいと思います。
そのためには、人材が必要なんだけど・・・それが一番課題かな