[ロンドン 21日 ロイター] - ドイツ銀行は21日、ここ数カ月の景気回復が予想以上だとして、世界の経済生産が2021年半ばまでに新型コロナウイルスのパンデミック前の水準に戻るとの予想を示した。債務の拡大や政策の変更が金融危機のリスクを高める可能性があると指摘した。

経済分析のグローバルヘッド、ピーター・フーパー氏は顧客向けノートで「今年初めから春の新型コロナ禍による落ち込みからの世界経済の回復は予想以上のペースで進んだ」とし「第3・四半期の終わりが近づき、世界のGDPはコロナ前まであと半分くらいのところまできていると想定する。従来の想定より2四半期早く来年半ばには到達するとみている」と述べた。

今年の世界GDP予想は5月時点の5.9%減から3.9%減に、21年は5.3%増から5.6%増に引き上げた。

ただしこの先、多くの不確実性や潜在的問題もあると指摘。

米欧での感染第2波拡大への懸念や米大統領選が、経済の先行き不透明感を強めているほか、英国の欧州連合(EU)離脱問題が欧州のリスクになっていると述べた。

数年先とみられるものの金融政策の転換も問題となる可能性があると指摘。

「債務の拡大、必要な超緩和政策による資産の過大評価は、中銀が緩和スタンスを修正すれば世界金融危機になり得る深刻なリスクになる。インフレ上振れはこのリスクを高める」と述べた。