[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日発表した第2・四半期の経常収支は、赤字額が前期比52.9%増の1705億4100万ドルと、世界金融危機さなかの2008年第3・四半期以来、約12年ぶりの大幅な赤字額となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるモノとサービスの輸出の減少が、輸入の減少を上回った。市場予想は1579億ドルの赤字だった。

経常収支は、国外とのモノやサービス、投資の流れを表す。

第1・四半期の赤字額は当初発表の1042億400万ドルから1115億1600万ドルへ改定された。

経常収支の赤字額は国内総生産(GDP)の3.5%を占め、08年第4・四半期以来の高水準となった。

商務省は国外との取り引きが減った要因として「新型コロナの影響が一因だ。多くの事業が部分的に営業していたか、完全に事業を占めた。また国境を越える渡航が制限されていた」と述べた。

オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、ジェームズ・ワトソン氏は「最近のデータでは貿易の堅調な回復がすでに示されているが、落ち込みの規模が大きく、完全回復には時間がかかる」と述べた。

内訳は、モノとサービスの輸出が4446億5300万ドルと、10年第1・四半期以来の低水準となった。第1・四半期は6055億5200万ドルだった。石油と民間航空機、自動車・同部品・エンジンの輸出が大幅に減った。

渡航規制により航空輸送も減った。そのほか、資産運用投資と直接投資による国外から得る所得や、融資や預金の利息、民間企業の罰金による所得が減少した。

モノとサービスの輸入は6095億5100万ドルと、10年第3・四半期以来の低水準を付けた。第1・四半期は7320億2800万ドルだった。主に自動車・同部品・エンジンと原油が減少した。国外に流れる資金も減った。融資と預金に支払う利子のほか、民間企業の罰金、国際支援などの政府の移転収支が減少した。