[東京 18日 ロイター] - 日銀が18日に発表した4―6月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は6月末時点で前年比1.8%増の1883兆円となり、現行ベースでさかのぼることが可能な2005年3月末以降で第2位の大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大による消費の手控えや現金給付で「現金・預金」が伸び率、金額ともに過去最高となり、家計の金融資産を押し上げた。

家計の金融資産の内訳では、「現金・預金」が4.0%増の1031兆円。一方、「株式等」は4.3%減の173兆円となった。株価の復調で減少率は3月末の15.6%より縮小した。

企業の金融資産は4.8%増の1185兆円。このうち、「現金・預金」が16.3%増の308兆円。伸び率、額ともに過去最高となった。新型コロナの感染拡大で事業環境が急速に悪化し、金融機関からの借り入れや社債・CPの発行で手元に資金を確保する動きが強まり、伸び率は3月末の3.9%を大幅に上回った。

日銀の国債保有は521兆円で、残高に占める比率は44.5%。保有残高、比率ともに過去最高。政府の短期債発行が増え、短期債を中心に買い増した。海外の保有額は150兆円で残高に占める比率は12.8%となった。

(和田崇彦 グラフ作成・編集:青山敦子)