(ブルームバーグ): オリックスは11日、インドの環境エネルギー大手グリーンコー・エナジー・ホールディングスに9億8000万ドル(約1000億円)を出資することで基本合意したと正式に発表した。出資比率は23%で、年内に取引を完了する見通し。オリックスの環境関連の海外投資としては過去最大で、アジアの成長を取り込む狙いがある。

グリーンコーはインドの2大環境エネルギー業者の一つ。インド国内で太陽光や風力、水力発電などの再生可能エネルギー施設を運営しているほか、開発中のプロジェクトも多く抱える。電力需要が旺盛なインド市場で、自前の案件のほか企業の合併・買収(M&A)を通じて高成長を続けている。2020年3月期の売上高は前期比4割近く増えた。

オリックスは創業者らから発行済み株式を取得するほか、インドで持つ風力発電事業を譲渡する対価として新株を引き受ける。オリックス出資後の株主構成は、支配株主のシンガポール政府投資公社(GIC)が57.1%、アブダビ投資庁が14.3%、創業者らが5.6%となる見通し。 

オリックスは8月、2兆円の投資パイプラインがあると公表。うち環境エネルギー関連で3000億円としていた。オリックスで同事業を統括する高橋英丈執行役はブルームバーグに対して、残る2000億円の内訳を日本や欧州などとし、現在約5000億円の同事業の資産を、早期に1兆円程度に倍増させたい意向を示した。

(正式発表を受けて記事を更新します)

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