次世代リチウムイオン電池正極材料の劣化メカニズム、原子レベルで解明 東大
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LMOのリチウム過剰系正極における劣化メカニズムを、STEMの原子オーダーでのその場観察によって解明したとのこと。
界面の転位(dislocation)、即ち原子配列の歪みのある箇所で、リチウム濃度が枯渇しLMOの酸素が分離発生して劣化が起こるという。
酸素の発生はマクロ(メゾ)スケールでは知られている劣化原因ですので、なぜリチウム金属酸化物が(充電した時に)酸素を発生させてしまうのか?を、原子レベルで解明したということです。
LMOは固溶体モデルでMnを他の元素に置換したりして、性能向上(劣化抑制)を長年やっている正極材料系です。日産もやってましたね。
転位の発生を抑制した酸化物結晶を使った正極材なら劣化しない、と強引に一般化すれば、現在CATLやテスラが言及している"単結晶"正極(NMC三元系)がその解ということに。
今回の研究成果は、単結晶LMOを使っているので結晶粒界は無く、ナノレベルの界面上に転位が発生し、そこがリチウム過剰・枯渇の場所となることが分かりました。
つまり単結晶(テスラのMillionMilesBattery)にしても、劣化要因は残存するということでも有り、また単結晶製法がどんなものか?量産に適うのか?
益々9/26のテスラ主催、延期続きのBatteryDayが楽しみになりましたね。