(ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースは政府の新型コロナウイルス関連救済基金が顧客に悪用された事例を複数特定したとして、違法性が疑われる行為に従業員が関与した可能性を調査している。

JPモルガンの上級幹部は8日、従業員に宛てた文書で、「給与保証プログラム(PPP)や失業給付、その他の政府プログラムの資金を顧客が不正に利用した事例」を挙げ、一部の「従業員も不適切だった」と説明。JPモルガンの原則に反しており、「違法の可能性すらある」との見解を示した。

「こうした事例の特定に全力で取り組んでおり、法執行機関と適切な分野で協力している」とし、社の方針に反する行為があった場合は報告するよう従業員に呼び掛けた。

JPモルガンの広報担当者はコメントを控えた。

新型コロナで打撃を受けた中小企業を支援するPPPは、3月に発効した2.2兆ドル(約230兆円)規模の包括的救済プログラムの柱であり、1社につき最大1000万ドルの融資を申し込むことができる。中小企業局(SBA)によると、JPモルガンはこのプログラムを通じ約28万件、総額290億ドルを融資、最大のPPP融資行となった。

原題:JPMorgan Probing Employees’ Role in Misuse of Covid-Relief Funds(抜粋)

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