タワマン以外の大規模開発、立川・GREEN SPRINGSは何が面白いか−不動産投資の都市計画・再開発東京記事/2020年8月31日掲載【健美家】
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注目のコメント
ぜひとも行ってみたいです。かなり凄いプロジェクト。
2015年に国有地を立飛ホールディングスさんが落札(落札価格非公開)した敷地(約38,900㎡)での開発事業。飛行場に近いため、高層化することができず最大11階の中層で、大きく広場空間を設けたプロジェクト。
民間目線でみると、立川はオフィス賃料は意外と高く、しかし、単価が高くとも広い床面積は埋まらないリスクが高そう。。普通に考えたら、容積率一杯までマンション建設するのがてっとり早くマーケットも硬そうです。
他方、街の経営という自治体目線で見ると、立川がマンション開発を続けてしまうと、商業・文化等の消費がよそに流出してしまい、かつ魅力的な消費ができないとオフィス誘致も困難となってしまいます。消費も仕事も無い街ですと新たな居住者も惹きつけにくく、そうしてマンション購入世代と共に高齢化していってしまいます。
そこで、立川に約98万㎡も土地を持つという立飛ホールディングスによる公民連携プロジェクトがこちら。
地区計画により住宅・倉庫・老人ホーム等の建築も制限し(厳密には建築の事業計画と並行して地区計画を定めていたはず)、これらの計画を作ることにより地元自治体からは、国有地の落札や交付金等のバックアップを行っていると考えられます。
立飛ホールディングスとしても、オフィスをメインとはしつつも、収益性の劣るホールや商業も整備しつつ、容積を余らせて大規模な広場空間を整備しています。これも、事業者が大地主で他に収益源があるからできているとも見えますし、大地主だからこそ立川自体の競争力を高める必要性があったとも見えます。また、容積率を余らせているのは、そもそもオフィス床を大規模に整備することがリスキーだったから整備しすぎなかったとも見えます。この点、同じく地元のたま信金が大きく床を借りており、これがリスク減少に効いているのではないかとも見ています。
このように、公共側のバックアップだけでなく、地元のマーケット規模をきちんと勘案しつつ、地元の盛衰と自社の盛衰が一体となった民間企業による緻密で壮大な連携があったのだろうと考えてます。でなければこんな開発はなかなか実現できないだろうなぁと感じた事例でした。