[ベルリン 2日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した7月の小売売上高指数は、実質ベースで前月比0.9%低下した。ロイターがまとめた市場予想は0.5%上昇だった。

第3・四半期のドイツ経済が消費主導で力強く回復するとの期待に水を差す格好となった。

6月は1.9%低下に修正された。ロックダウン(都市封鎖)解除を受け、5月は13.2%上昇していた。

ドイツ政府は3月以降、新型コロナウイルス流行で打撃を受ける企業や家計を支援するため、救済策や刺激策を相次いで打ち出した。その一環として、7月1日から12月31日までの間、付加価値税(VAT)の税率を引き下げた。

ただ、今回の小売売上高統計は、こうした措置の効果が出ているのか、疑問を投げ掛ける内容だ。一部の企業は減税分を消費者に還元しておらず、家計も一般的に消費を手控えていることが原因とみられる。

小売売上高統計は振れが大きく、後日、修正されることが多い。

DZバンクのエコノミスト、ミヒャエル・ホルシュタイン氏は「ドイツの小売り企業はさぞかし失望したことだろう。7月1日からのVAT減税は、少なくとも最初の月には、期待していた売り上げ増にはつながらなかった」と話した。

しかし同氏は、減税措置が向こう数カ月で支援要因になる可能性もあると述べ、効果がないと断定するのは尚早との見方を示した。

7月の小売売上高指数は、前年比では4.2%上昇。6月は6.7%上昇に上方修正された。

7月の小売売上高指数は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前の2月との比較では、0.9%上昇。小売り部門が比較的急ピッチなV字型回復を遂げていることが浮き彫りとなった。

1─7月は2.6%上昇した。ただセクターごとにばらつきが大きく、繊維製品、衣料品、靴、革製品を扱う小売店は25%以上の落ち込みとなる一方で、ネット通販は20%の伸びとなった。

第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比9.7%減と、1970年の四半期統計開始以降で最大の落ち込みを記録した。

*内容を追加しました。