[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場はハイテク株の上昇が主導し、S&P総合500種<.SPX>が6営業日連続で終値での最高値を更新した。ナスダック総合<.IXIC>も反発し、終値での最高値を更新。ダウ工業株30種<.DJI>は年初来プラスを回復した。

週間では主要株価3指数は軒並み上昇して取引を終えた。S&Pとナスダックは5週連続での上昇。

またS&Pは、8月として34年ぶりの好成績となる見通し。

レノックス・ウェルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者は「ハイテク株が今年の株価回復分の大半を占める。しかし、上昇の裾野は広がり、ダウ平均などへの追い風となっている」と述べた。

メドウズ米大統領首席補佐官が追加の新型コロナウイルス経済対策について、上院共和案に3000億ドル上乗せした1兆3000億ドル規模であれば、トランプ大統領は受け入れる用意があるとの見方を示し、株価上昇に拍車がかかった。

朝方発表された7月の米個人消費支出は前月比1.9%増と、市場予想の1.5%増を上回った。第3・四半期に経済が大きく持ち直すとの見方を後押しした。

S&Pの主要セクター中、エネルギー<.SPNY>の上昇が目立ち、1.9%高。米南部を襲ったハリケーン「ローラ」による製油所などへの被害が限定的だったことで安心感が広がった。

個別銘柄では、ユナイテッド航空<UAL.O>が3.1%、 コカ・コーラ<KO.N>が3.3%それぞれ上昇。ユナイテッド航空は前日、政府の雇用支援が延長されなければ、パイロットの約2割に相当する2850人を削減する必要があると発表。コカ・コーラもこの日、コロナ禍の影響で売上高が打撃を受ける中、事業部門を約半数に減らし、米国の従業員を含む4000人の希望退職を募ると発表した。

クラウドベースの人事(HR)・会計ソフトを手掛けるワークデイ<WDAY.O>は12.6%高、デル・テクノロジーズ<DELL.N>も6.1%高。両社ともにコロナ流行に伴う在宅勤務の拡大が業績への追い風となっている。

ウォルマート<WMT.N>は2.7%高、マイクロソフト<MSFT.O>も1%高。ウォルマートは前日、マイクロソフトと連携し、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業買収に乗り出すと発表した。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.47対1の比率で上回った。ナスダックは2.01対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は80億7000万株。直近20営業日の平均は92億1000万株。