(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)は、域内の包括的な環境政策「グリーンディール」を通じて脱炭素化を進め、来月にこれまでで最も野心的な温室効果ガスの削減目標を提示する公算が大きい。

欧州委員会は温室効果ガスの排出削減を加速し、2030年末までの排出削減目標を1990年比で55%減とする見通しだ。話し合いが非公開だとして外交当局者2人が匿名を条件に明らかにした。現在の削減目標は2014年に採択された40%減となっている。

欧州委はグリーンディール計画の一環として、温室効果ガスの削減目標を90年比50ー55%減へ引き上げるための案を検討している。新たな目標は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響を考慮した調査を基に来月公表される見通しだ。

研究者や政策専門家らは、フォンデアライエン欧州委員長が気候変動対策で欧州が世界をリードする役割を担うと決意していることを挙げ、検討されているレンジの上限が新たな削減目標になると見込む。

欧州委は27日、来月の目標提示に向けて取り組みを進めていることを認めたが、具体的な内容についての言及は避けた。欧州委は草案段階の法案についてはコメントしない方針だ。

原題:Europe Poised to Speed Up Emissions Cuts With Ambitious Target(抜粋)

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