[ソウル 27日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は27日、市場の予想通り政策金利<KROCRT=ECI>を過去最低の0.50%に据え置いた。新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、景気への影響が懸念されているものの、住宅価格が上昇する中、据え置きを決めた。

一方で中銀は、新型コロナ流行の国内経済への影響を懸念し、今年の国内総生産(GDP)見通しを大幅に引き下げた。

ロイター調査のアナリスト26人全員が金利据え置きを予想していた。

新たな見通しでは今年のGDP伸び率をマイナス1.3%とし、従来予想のマイナス0.2%から大幅に下方修正。

今年のインフレ率見通しは0.4%とし、従来予想の0.3%から修正した。

中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁はユーチューブのライブ配信による会見で、景気が一段と悪化すれば金融政策を「積極的に」活用する必要があると言明し、追加利下げに柔軟で金利以外の金融手段にも前向きな姿勢を改めて示した。

「さらなる利下げの余地がある。とはいえ金利はかなり低水準のため、予想される効果と悪影響を検討し慎重に対応する必要がある」と説明した。

総裁は債券の買い入れ拡大やオペ(公開市場操作)の実施に柔軟な姿勢を示す一方で、イールド・カーブ・コントロールについては現時点で検討していないと述べた。

メリッツ証券のエコノミストは「マイナス1.3%の成長率予想はやや衝撃的だった。ここまで大幅(な下方修正)とは考えていなかった」と語った。

3年物国債先物9月限は当初上昇していたが、総裁が利下げに慎重な発言をしたことで下げに転じた。

新型コロナの世界的な流行で輸出が落ち込み、韓国経済は第2・四半期に2003年以来となるリセッション(景気後退)に陥った。

李総裁は外需が新型コロナによる打撃からの回復途上にあるとして、輸出は今年後半に持ち直すが緩やかなペースになるとの見方を示した。

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