2020/8/24

【幹部直撃】TikTokキラーか。インスタ、ショート動画の勝算

NewsPicks編集部 記者
TikTokキラーとなるか──
米インスタグラムが8月初旬、「Reels(リール)」という新機能を、日本やアメリカを含む世界50カ国で公開した。 
15秒という短い動画フォーマットで、人気の楽曲をBGMにしたり、早送りなどのエフェクトをかけたりと編集できる仕様は、まさにTikTokさながらだ。
しかも、である。TikTokを巡っては、運営する中国バイトダンスに対する安全保障上の懸念から、アメリカでの使用禁止や米企業による買収案などが持ち上がり、揺れる最中だ。
そんな「絶好のタイミング」でのローンチとなった。
インスタは、これまでにも他社発の人気機能をうまく取り入れ、飛躍してきた経緯がある。その筆頭は、欧米のティーンに人気のSNS「スナップチャット」が生んだ、24時間で投稿が消える「ストーリーズ」機能だった。
2016年の実装以降、本家を食うスピードでユーザーを伸ばし、今や毎日5億人が使う機能となった。
今回のリールも、TikTokを食い、そしてインスタのさらなる起爆剤となるのか。
NewsPicks編集部は、開発の中心人物であるプロダクトディレクター、テッサ・ライオンズ-レインを直撃。
インスタ流プロダクト開発の極意が詰まった、単独インタビューをお届けする。

短尺動画が必要な理由

──8月頭、リールをローンチしました。これまでもインスタ上で動画をシェアすることは出来ましたが、なぜリールを実装したのですか。
ライオンズ−レイン インスタには、「ステージ」が欠けていたからです。
テッサ・ライオンズ-レイン Instagram プロダクトディレクター
ハーバード大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、Facebookに入社。2019年より現職。