2020/8/26

【読書】あなたはなぜ「データ」を使いこなせないのか?

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、話題の書籍の要約をお届けする連載「水曜日は読書」。
今回は『人は悪魔に熱狂する』(毎日新聞出版)を紹介する。
疲れが溜まってきた水曜日は、読書で気持ちを切り替えよう。(4718文字)

「バイアス」に惑わされるな

データは事実を示すが、必ずしも真実であるとは限らない。
アンケート結果などに基づき消費者ニーズを汲んだつもりで商品開発を行なっても、期待に反して売れないことがある。
本質を鋭く見抜き、データでは欠落している部分を推論で埋めながら仮説を立てて検証し、正しい結論を導く洞察力が求められる。
そもそも、人間は合理的ではない。
健康を心がけている人が、空腹に耐えかねて肉厚なハンバーガーを食べることもある。意思決定に歪み(バイアス)が生じることで、合理的に考えれば選ばないような選択肢を自ら拾ってしまうのだ。
このようなバイアスまみれの人間心理の究明を目指しているのが行動経済学である。
人間の内面には良い意思決定としての「善」だけではなく、煩悩にまみれた「悪」の欲求も潜んでいる。この「悪」こそ人を熱狂に駆り立てるのであり、それに負けまいとするのが人間の本質だ。