[シドニー 20日 ロイター] - 豪政府は、中国蒙牛乳業<2319.HK>によるキリンホールディング<2503.T>の豪飲料事業の買収計画を却下する見通しだ。豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(AFR)が20日に報じた。

報道によると、外国投資審査委員会(FIRB)が承認を勧告したにもかかわらず、フライデンバーグ財務相は却下する構えだという。

キリンは昨年11月、オセアニア飲料事業を統括するライオンが100%保有する「ライオン飲料」を蒙牛乳業に売却すると発表。ライオン飲料は「ピューラ(生乳)」、「デアリー・ファーマーズ(生乳)」、「ムーブ(フレーバードミルク)」といったブランドを展開している。[nL4N28515I]

一方、豪政府は今年6月に約50年ぶりとなる大幅な外国投資法の改定を発表。大きな変更として、FIRBが承認済みの案件でも、財務省は異なる決定を下したり、条件変更や売却を命じる最終的な権限を与えられた。[nL4N2DI24L]

また、安全保障上のリスクとみなされる事業の売却を命じる権限が政府に与えられた。

フライデンバーグ氏は報道について「特定のケースに適用される、あるいは適用され得る、外国投資審査手法の詳細についてはコメントしない」と電子メールで述べた。

豪中関係は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査を提案し、中国による香港国家安全維持法の施行を批判したのを受け、悪化している。