[バマコ 19日 ロイター] - 西アフリカのマリで抗議活動を主導してきたイスラム教の聖職者が19日、反乱を起こした軍の指導者と会談した後、政治から身を引くと表明した。

マリでは18日、反乱を起こした軍兵士の一部がケイタ大統領や政府高官らを相次いで拘束した。ケイタ大統領は19日、辞任を表明した。反乱した兵士らは、選挙を実施して民政移管する意向を表明した。

マリでは大統領辞任を求める大規模デモが続いていた。イスラム過激派の勢いも増しており、政情不安が高まっている。

19日の首都バマコの状況は、終日落ち着いていた。反乱した兵士らは、通常の生活に戻るよう人々に呼びかけている。

イスラム教の聖職者であるマフムード・ディッコ氏は、ここ数週間、何万人もが参加した抗議活動を主導してきたが、ディッコ氏のスポークスマンは、反乱を起こした軍指導部と会談した後、同氏が政治から身を引くことを決定したと明らかにした。

詳細は明らかになっていないが、反乱した兵士らが確約する民主化に満足している可能性もある。

自らを国民救済委員会(NCSP)と名乗る反乱を起こした兵士らは、権力を求めているわけではないと主張し、一定期間内に総選挙を実施し、マリに安定をもたらすことを望んでいると表明した。

これに対して、反大統領勢力の連合体「M5―RFP」は声明で、NCSPの民政移管への決意に留意するとし、それを達成するためNCSPと協力すると表明した。

国連安全保障理事会は19日、マリで起こっている反乱を批判し、大統領らの解放を求めた。