[ジャカルタ 19日 ロイター] - インドネシア中央銀行は19日、政策金利の7日物リバースレポ金利<IDCBRR=ECI>を4.00%に据え置いた。中銀は市場の安定を最優先しながらも、新型コロナウイルス危機で低迷する消費喚起に向け一部融資ルールを緩和した。

据え置き決定は市場予想通り。

中銀は現在の金利水準は、コロナ禍のなか国内経済の支援と安定維持の取り組みと整合性が取れているとした。

翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)<IDCBID=ECI>は3.25%、貸出ファシリティー金利<IDCBIL=ECI>も4.75%に、それぞれ据え置いた。

インドネシア中銀は今年、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため既に4回の利下げを実施。金融システムへの流動性注入に向け、280億ドル規模の国債引き受けなどの政策も表明している。

中銀は、不良債権比率が低い銀行が提供する環境にやさしい自動車(エコカー)購入ローンの頭金規制を10月1日から廃止すると発表した。現行は5─10%の頭金が求められている。

ワルジヨ総裁はオンライン会見で「量的措置は景気回復を支援する上でより有効だと考えている。具体的には銀行システムを通じたマネー緩和だ」と述べ、政策金利の維持で外国人投資家にとって魅力的なスプレッドは維持されると指摘した。

将来の政策見直しでは景気や金融市場の状況、コロナの感染状況を考慮する方針を示した。

バンク・ダナモンのエコノミスト、ウィスヌ・ワルダナ氏は総裁の発言について、景気回復の兆候に中銀高官は満足していることを示唆しており、年内の追加利下げはないとの見方を示した。

一方、キャピタル・エコノミクスのアレックス・ホルムズ氏は、高頻度のデータから景気は踊り場に入ったと考えられ、追加利下げの可能性があるとみている。

政策決定を受けて株<.JKSE>は一段安、ルピア<IDR=>は0.5%高。

第2・四半期の国内総生産(GDP)はコロナ禍を受けて前年比5.32%減と、予想以上の落ち込みを記録した。

コロナ感染者数は、前回の中銀会合から75%増加し14万4945人となった。

政府は今年の成長率を小幅マイナスないしゼロ成長とみているが、一部アナリストは1998年のアジア金融危機以来、初のマイナス成長を予想している。

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