2020/8/19

【新連載】アメリカ大統領選を「完全理解」しよう 

ジョシュア・W・ ウォーカー
ジャパン・ソサエティー(米国・NY) 理事長
2020年は、アメリカ大統領選の年だ。
この4年間、あらゆる意味で世界をかき乱してきたトランプ政権が存続するのか、終わりを迎えるのか。
大統領選の歴史でも注目の選挙となるが、日本ではあまりその全貌が伝わっていない。もしくは、そもそも盛り上がっていない。
そこで、NewsPicksでは、米国から直接この大統領選の動きを伝えていく連載をスタートする。
語り部となるのは、ジャパン・ソサエティー(NY)のジョシュア・W・ウォーカー理事長。
日本で18歳まで育った後、イェールやプリンストンといった名門で国際政治学を学び、米国務省を経て、地政学のコンサルティング会社、ユーラシア・グループで名をはせてきた気鋭の論客だ。
日本の在住経験もあることから、米国政治の日本への影響にも詳しい。
さて、ウォーカー氏によるこの連載の第1回で取り上げたいのは、野党である民主党の副大統領候補のカマラ・ハリス氏についてだ。
トランプ氏に挑むバイデン候補は、なぜ、黒人初の女性候補となるハリス氏を選んだのか。
8月20日に民主党全国大会で受諾演説が行われるのを前に、現地発の誰でも理解できるディープな解説をご覧あれ。
カマラ・ハリス指名が意味するもの
まず、最初に結論を言ってしまうと、カマラ・ハリス氏の指名は、バイデン氏にとって最高の選択でしたね。
理由は大きく3つあります。
トランプ大統領と戦う上で、バイデン氏には自分に足りないものを補う必要があります。彼は77歳と高齢なので、それを相殺する「若さ」や、「歴史的」だと印象づけるパートナーが必要でした。
かねてからバイデン氏は女性を指名するとしていましたが、過去にも女性の副大統領候補はいたため、それだけでは刺激が足りません。
「歴史的」だと印象づけるためには、黒人女性初の副大統領候補が必要でした。人種というのが1つ目の理由になります。
それだけではなく、ハリス氏はインド出身の母親を持つアジア系アメリカ人です。黒人だけでなくアジア系を取り込むこともできるでしょう。