[ミンスク 17日 ロイター] - 9日のベラルーシ大統領選で6選を決めたものの、投票に不正があったとして抗議活動を受けている現職のルカシェンコ大統領は17日、権力を分かち合う用意があると表明した。

ルカシェンコ氏の譲歩表明に先立ち、選挙で敗北したチハノフスカヤ氏がベラルーシを率いる用意があると表明し、新たに公平な大統領選挙が実施できるよう法的メカニズムの構築を訴えていた。また、治安・法執行当局者にルカシェンコ政権からの離反を呼び掛け、離反すれば過去の行為は免責するとした。

ルカシェンコ大統領が6選を決めたが、大統領に批判的な陣営はルカシェンコ氏が選挙を操作したと批判している。

ルカシェンコ氏は17日、ミンスクの工場で労働者らを前に、反体制派が要求する新たな大統領選は自身が殺されるまで実施されないと言明。国営通信社ベルタによると、権力の共有や憲法の改正には前向きだとする一方、街頭の抗議活動による圧力の下でそれらを実施する意向はないと述べた。また、権力の再配分につながる憲法改正作業は既に進んでいるとした。

16日は首都ミンスクでルカシェンコ氏に辞任を求める大規模なデモが行われた。

チハノフスカヤ氏は自身や家族の身の安全のために先週出国し、リトアニアに滞在している。同氏はビデオ演説で「この状況下で国の指導者として責任をもって行動する用意がある」と述べ、1週間デモが続くこの機運を最大限生かすことが不可欠だとした。

抗議デモは、これまで大統領に忠誠を誓っているとされていた警察の一部や国営メディアの記者なども参加し、抗議のすそ野が広がっている。

ロシア大統領府は16日、プーチン大統領がルカシェンコ氏に対し、必要となった場合、軍事協定に基づき支援する用意があると伝えたと発表した。

ベラルーシは、ロシアから西欧につながる石油パイプラインが通っているほか、ロシアにとって北大西洋条約機構(NATO)との緩衝地帯という位置づけになっており、同国の情勢をロシアは注視している。

*大統領の表明内容を追加しました。