雪国まいたけ、9月再上場=5年ぶり、東証承認
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こちらもベインキャピタル。
ベインキャピタルの日本は、ラージキャップのカーブアウト(東芝メモリ = キオクシア)、いぶし銀のスモールキャップのバイアウト(雪国まいたけ、大江戸温泉など)、スタートアップ投資(ヘイ)など、多様なストラクチャー/ステージの会社への投資実績を持つ特異な会社です。
プロフェッショナルを目指す20代からアラサーまでのハイスペ若手にとり、今からベインキャピタルに入っても金銭的アップサイドはそれほどないかもしれませんが、多様なディール経験を積んで30代からアラフォーで大勝負をかける準備をするための舞台としてはとても面白そうです。
(何となく、15年くらい前のGS東京オフィスを想起します。給料ぼちぼち but 多様な経験という意味で。これから人材輩出企業になるんじゃないでしょうか)まさに地方のユニークな企業を一段階大きくして上場させるという、PEの事業承継ディールの典型的な成功例になりそう。エントリーが銀行担保権の行使と相当な難易度(クリエイティビティ)のあったディールと想像する。入り口が大変なディールほど(買収価格は高くならないので)、その後の成長は作りやすかったりします。
雪国まいたけのBain Capital買収dealの何がすごいかというと、買収直後は利益10億円規模(EV100億規模)でとても上場を狙えるサイズでなかったところ、50億円の上場できる十分なサイズまで伸ばしていること。
ちなみに利益10億円規模だと、外部から優秀な経営陣を数千万円の給与でヘッドハントしてくるのも躊躇しがちだし、投資後のPMIのために数億使ってコンサルをリテインするのも難しく、経営改善に使えるリソースが、利益50億円クラスの会社とは全く違う景色。なのでこれで成長作れるのはすごい。売上や利益の規模によってPEも使えるリソースが変わってくるのが実態です。開示されている有価証券届出書の業績の推移を見ると、ベインキャピタルのバイアウト後の成長が著しい。
また、以下の観点でファンド案件IPOの資本政策として好事例。プライシングがどうなるか注目です。
・上場前資本政策で神明ホールディングスの資本参加
・IPO時まではベインキャピタルが経営権を保持し、IPO時の全株式売却による上場後のオーバーハング懸念の払拭(売出し+OA最大15%によるセカンダリーへの配慮)
・親引けで神明ホールディングスへの販売による雪国まいたけの連結子会社化
・ディール特性を踏まえ、P/Lヒットするオファリングコストを抑えた旧臨時報告書方式で欧州及びアジアを中心とする海外市場へ販売(ただし、米国及びカナダを除く。)