[シドニー 14日 ロイター] - 豪大手銀、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)<NAB.AX>のロス・マキューアン最高経営責任者(CEO)は14日、住宅ローンの返済が滞るリスクが高い顧客に対して、保有物件の早期売却を検討するよう促した。

7月の豪不動産価格は3カ月連続の下落となった。ただ、前年同期の水準は依然約7%上回っている。

マキューアンCEOは決算発表後の会見で、保有物件の価値が下がる前に早期に物件を売却したほうがいい時もあると説明し、新型コロナウイルスの影響を受けた顧客に対して、物件の早期売却を検討するよう促した。

NABは、4月以降にローンの返済延期が12%増加し、560億豪ドル(400億米ドル)に達したとし、全体に対する割合は、住宅ローンで約12%、企業向け融資で15%に上昇したと明らかにした。

返済延期手続きをした顧客の半分近くに8月5日までに問い合わせをしたところ、返済再開を希望する人は16%にとどまったという。

4─6月期は、キャッシュ利益が6.1%減の15億5000万豪ドル(11億1000万米ドル)となった。ただ、シティの市場予想(12億6000万豪ドル)は上回った。

不良債権償却額は5億7000万豪ドルで、前年同期の2億4700万豪ドルから増加し、年初からは17億3000万豪ドルに達した。