[モスクワ 12日 ロイター] - ロシア政府高官は、防衛、通信、代替エネルギーセクターなどに欠かせないレアアース(希土類)分野で15億ドルの投資を計画していると明らかにした。2030年までに中国に次ぐ世界2位の生産国となることを目指す。

レアアースは中国が世界の生産量の63%、埋蔵量の37%を占め、米国など各国が中国への依存を減らそうとしている。

ロシアには世界全体の10%に当たる1200万トンの埋蔵量があり、政府は海外からの投資を後押しする方針だ。

Alexei Besprozvannykh産業貿易次官によると、ロシアは世界のレアアース生産に占めるシェアを現在の1.3%から2030年までに10%に拡大するため11のプロジェクトを掲げており、これらのプロジェクトの海外投資家に対し鉱業税の削減や低利融資などを提供する方針だ。プロジェクトには少なくとも15億ドルの投資が必要と試算しているという。

同次官は、レアアース市場における中国の優位は変わらないものの、ロシアは2030年までに中国に次いで2位となることを目指していると述べた。

また、11のプロジェクトにより、ロシアは2025年までにレアアースの国内自給をほぼ達成し、2026年から輸出することが可能になるとの見方を示した。