[ブラジリア 11日 ロイター] - ブラジルのボルソナロ大統領は11日、アマゾン地域の森林火災について、政府のデータで深刻な状況が示されているにもかかわらず「うそ」だと述べ、その存在を否定した。

ロイターは、アマゾンの町・アプイで終日、煙が地平線を覆い、火災の炎が夜空を照らすのを目撃している。

ブラジル国立宇宙研究所(INPE)のデータによると、アマゾン地域では8月に入って最初の10日間に1万件を超える火災が発生。前年同期を17%上回る水準となった。昨年8月の火災件数は9年ぶりの高水準だったが、今年はさらに深刻な状況が見込まれる。

しかし、ボルソナロ大統領は、アマゾンの熱帯雨林を保護するための「レティシア協定」の加盟国会議で、アマゾンに関係する他の南米諸国の首脳らに対し、アマゾンの上空を飛行機で飛んでみれば、ボアビスタからマナウスまで広範囲にわたって1つの炎も見えないだろうと発言。

「アマゾンが焼失しつつあるという話はうそだ。われわれは本当の数字をもって、これに対抗しなければならない」と述べた。

また、アマゾンは熱帯雨林であることから火災は起きないと主張した。

ボルソナロ氏は昨年、INPEがアマゾンの森林伐採に関するネガティブなデータを公表したことを受け、同機関のトップを解任している。