[ミラノ 31日 ロイター] - 欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービズ(FCA)<FCHA.MI><FCAU.N>が31日に発表した第2・四半期決算は、赤字が予想ほど膨らまず、業績は下半期に大幅改善するとの見方を示した。

第2・四半期は利払い・税前の損失が9億2800万ユーロ。赤字幅は、ロイターがまとめたアナリスト予想の18億7000万ユーロほど膨らまなかった。

北米事業の調整後の利益は3900万ユーロ。マンリー最高経営責任者(CEO)は、北米の製造は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を回復したとし、「下半期は格段に改善する」と述べた。

第2・四半期末のフリーキャッシュフローはマイナス49億ユーロだった。

FCAはグループ全体で設備投資を削減。通年で15億ユーロ削減し、80億─85億ユーロとする方針を示した。

「プジョー」を傘下に持つ仏PSA<PEUP.PA>との合併については、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が現在、独占禁止上の審査を実施しているものの、合併計画の遅延にはつながらないとの見通しを示した。

FCAとPSAは合併後の新会社名を「ステランティス」とすると発表しており、実現すれば世界第4位の自動車メーカーが誕生する。PSAの上半期決算は、新型ウイルス感染拡大によりで売上高が減少したものの、黒字を確保した。