[パリ 30日 ロイター] - フランスの自動車大手ルノー<RENA.PA>が発表した上期決算は過去最大の72億9200万ユーロ(85億8000万ドル)の純損失を計上した。
新型コロナウイルスの流行が響いた。アライアンスを組む日産自動車<7201.T>の損失も重しとなった。
ルノーの連結営業損益(日産の損失の影響を除く)は20億ユーロの赤字。前年は15億ユーロの黒字だった。売上高は34.9%減。
リフィニティブによると、市場予想は純損失が50億ユーロ前後、営業損失が18億ユーロだった。
ルノーは日産同様、大規模な事業構造改革を進めている。上期のキャッシュフローは63億7500万ユーロの赤字だった。
ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は声明で「前例のない事態だが、これで終わるわけではない。グループの回復力に強い自信を持っている」と述べた。
自動車各社は新型コロナで大きな打撃を受けているが、ルノー・日産連合は、利益率の低迷やカルロス・ゴーン前会長を巡る経営の混乱などを背景に、特に痛手が大きい。
日産は今期の営業損益を4700億円の赤字と予想。[nL3N2EZ2BK]
ルノーによると、日産のマイナス寄与はルノーの純損失の48億1700万ユーロに相当する。
<今回の決算は「警鐘」>
30日のルノー株は3.3%安で始まった。
同CEOはアナリストとの電話会議で「今日の決算は警鐘を鳴らしている」と指摘。すでに発表した人員削減、車種の削減、アライアンスの生産協力関係改善など、事業構造改革を強化していく方針を示した。
現在、ルノーの上級幹部40人で構成するチームが戦略プランの詳細を練っており、遅くとも来年1月までに発表があるという。
同CEOは、特にコンパクトカー、クロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)、電気自動車・ハイブリッド車の分野で利益を出せる「ルノー」ブランドを構築することを重視すると表明。量から価値に軸足を移すと述べた。
同CEOは「やるべきことはわかっている。厳しい道のりの先により良い時代が待ち構えている」と述べた。
同CEOは独フォルクスワーゲン(VW)<VOWG_p.DE>の出身。今月、ルノーのCEOに就任した。
*内容を追加しました。