[ニューヨーク/香港 29日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)に出資しているセコイア・キャピタルなど一部投資家は、バイトダンス傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」への買収提案を行っており、ティックトックの価値を約500億ドルと評価している。これは、競合のスナップ<SNAP.N>などの価値を上回る水準。

関係筋によると、セコイアの他、ジェネラル・アトランティックなど、バイトダンスに出資する投資家がティックトックの過半数株取得を提案している。また、他の企業や投資会社もティックトックの買収に関心を示しているという。

これらの投資家は、ティックトックの企業価値を同社の2020年売上高予想(約10億ドル)の50倍となる500億ドルと評価しているという。

リフィニティブのデータによると、写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を展開するスナップ<SNAP.N>の企業価値は、2020年の売上高予想の15倍相当の330億ドル。

バイトダンスの創業者、張一鳴氏がこの評価額に満足するかどうかは不明。関係筋の1人によると、バイトダンスの幹部の最近の議論では、ティックトックの価値は500億ドル以上とされていた。

ティックトックを巡っては、米当局の間で利用者情報が中国政府に流出するとの懸念が出ており、バイトダンスはティックトックついて様々な選択肢を検討している。

米議会上院の国土安全保障・政府活動委員会は今月22日、ティックトック)を連邦政府職員が政府支給の端末で利用することを禁止する法案を全会一致で可決した。

関係筋によると、バイトダンスはティックトック売却で合意できなければ、ティックトックの米国部門だけを売却することも検討している。