[29日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>が29日に発表した第2・四半期決算は、新型コロナウイルス禍による封鎖措置が響き、前年同期の黒字から赤字に転落した。ただし赤字額は予想ほど膨らまなかった。

手元流動性確保のための借入金160億ドルについては、コロナ禍からの景気回復が継続し、新たな生産停止に追い込まれない限り、年内に返済資金を賄うことは可能と表明した。

株価は当初値上がりしていたものの、その後は値を消し2.5%安。

四半期の純損益は7億5800万ドル(1株0.56ドル)の赤字。前年同期は24億ドル(同1.66ドル)の黒字だった。

一時項目を除く1株損益は0.50ドルの赤字。市場予想は1.77ドルの赤字だった。利益率の高いピックアップトラックの売り上げが底堅かったことや、積極的なコスト削減が下支えとなった。

スリヤデバラ最高財務責任者(CFO)は「引き続き状況はかなり流動的で、コロナ感染や経済、業界全体の動きを注視している」と述べた。

通年の業績見通しは明らかにしなかったものの、手元資金は第2・四半期末時点で306億ドルとした。

販売店での売り上げは4月に前年比35%落ち込んだものの、5月と6月は同20%の減少にとどまるなど、下げ止まりの兆しが見られるという。

また、販売店の在庫拡大に向け尽力しており、ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の生産工場は3交代制で稼働しているとした。

クレディ・スイスのアナリスト、ダン・レビー氏は、前年と比較して構造的な改善が見受けられると指摘した。

CFRAリサーチのアナリスト、ギャレット・ネルソン氏は「同社の販売がすぐにコロナ前の水準に回復するとは考えにくい上、新車候補も他社と比較してありきたりだ」とした上で、投資判断を「セル」に据え置いた。

電気自動車(EV)事業の分離・独立(スピンオフ)の可能性について、GMのバーラ最高経営責任者(CEO)は「長期的な株主価値の押し上げに向け、あらゆる方策の検討にオープンであり、排除するものは何もない」と述べた。

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