[ニューヨーク 27日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで約2年ぶり安値に沈んだ。米国内の新型コロナウイルス感染再拡大を巡る懸念や、週内の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感がドル売りを誘った。

終盤の取引で、ユーロ/ドル<EUR=>は0.79%高の1.1726ドル。一時、2018年9月以来の高値となる1.1781ドルを付ける場面もあった。

ドル指数<=USD>は0.72%安の93.68。一時、18年6月以来の水準となる93.47まで下落した。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、米連邦準備理事会(FRB)が長期的に一段の行動を取る用意があるとのシグナルを発し、米景気回復が欧州ほどスムーズに進まないという見通しがドルを下押ししたと指摘。

さらに、欧州でのコロナ感染状況がさらに改善すれば、ユーロが1.20ドルまで上昇する可能性もあると予想した。

ロイターの集計によると、フロリダ州は前日、新型コロナの累計感染者数がニューヨーク州を抜き、カリフォルニア州に次ぐ全米2位となった。

注目されている追加の新型コロナウイルス対策法案を巡っては、トランプ政権と上院共和党が前日、基本合意に達した。ムニューシン財務長官によると、詳細は27日に公表される見通し。

米連邦準備理事会(FRB)は28─29日に開くFOMCで、ゼロ金利を当面維持する方針を再表明すると予想されているが、長期債の買い入れを拡大するか、イールドカーブ・コントロール措置を導入するかなどが注目される。

米中関係悪化への懸念から、安全資産とされる円は上昇した。ドル/円<JPY=>は0.66%安の105.42円。一時105.13円と、3月13日以来の安値を付けた。

また、ドル安を追い風に英ポンドは約4カ月ぶり高値を更新した。

ドル/円 NY終値 105.37/105.38

始値 105.26

高値 105.47

安値 105.13

ユーロ/ドル NY終値 1.1751/1.1752

始値 1.1724

高値 1.1781

安値 1.1719