[東京 27日 ロイター] - 財務省が27日発表した2020年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)の確報によると、設備投資額は全産業で前年比0.1%増とかろうじて前年並みを確保し、2四半期ぶりに改善した。金額の水準としては、比較可能な2001年7─9月期以来、3番目の高さとなった。前期比でも3.6%増となり、3期ぶりの改善。減収減益が続く下でも、設備投資は非製造業を中心に底堅い動きが確認された。

当初発表段階では、回収期限が5月10日だっため新型コロナウイルス感染拡大の影響で回答率は61.4%にとどまっていたが、その後の追加回収により70.6%と通常並みの70%台を確保した。ただ、当初段階で回答できなかった企業の業績は芳しくなかったとみられ、売上高や設備投資の伸びは当初の調査より下方修正となった。

製造業の設備投資は同5.3%減と、2四半期連続で減少となった。輸送用機械と化学での設備投資が振るわず、いずれも2桁の減少となったことが響いた。財務省によると、輸送用機械は世界経済減速に伴う能力増加投資が減少しており、4四半期連続の減少。

一方で、業務用機械は4四半期連続の2桁増が続いている。さまざまな用途がある計測機械の増設、研究開発投資が増加していると財務省では説明している。

非製造業は2.9%増となり、2期ぶりの増加。不動産業で都市部のビル竣工や大型ビルの開発や情報通信業での増加が寄与した。ただ、リース業やサービス業での投資はさえなかった。

売上高、経常利益はいずれも減少。減収減益は昨年7─9月から継続している。製造業・非製造業ともに振るわず、特に、輸送用機械と生産用機械、また卸小売業やサービス業の悪化が目立つ。ただそうした中でも「設備投資は中長期的計画に基づき実行されるものもあり、底堅い動きとなった」(財務省)とみられる。

法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。

*統計の詳細は財務省HPでご覧になれます。

http://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/index.htm http://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/index.htm%E3%81%A7%E3%81%94%E8%A6%A7%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

*詳細を追加しました

(中川泉 グラフ作成・編集:田中志保)