[東京 22日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>が100%生産子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)の工場閉鎖を検討していることが分かった。同工場では輸出用のスポーツ多目的車(SUV)「パジェロ」などを生産しているが、販売低迷で稼働率が落ちているため。複数の関係筋が22日、明らかにした。

関係筋によると、岐阜工場は3年以内の閉鎖を想定しており、27日午前に開く取締役会で最終的に決める。決定した場合は同日発表の中期経営計画に盛り込む予定。岐阜工場では輸出向けパジェロのほか、ミニバン「デリカD:5」とSUV「アウトランダー」を生産しているが、パジェロの生産は終了し、デリカD:5とアウトランダーの生産は他工場へ移す計画。新型コロナウイルスの影響で景気・雇用環境の悪化が懸念される中、従業員の多くは配置転換で対応する構え。

三菱自は5月発表の2020年3月期決算で約258億円の最終赤字に転落した。今後2年間で固定費を前の期に比べて2割以上、約1000億円削減する方針を打ち出している。

三菱自の広報担当者は、岐阜工場閉鎖について「当社が発表したものではなく、決まったものではない」とコメントしている。

(白木真紀)