メルケル独首相、米中対立の中で歴史的転換 ＥＵ復興基金

コメント

注目のコメント

• 石川 光春

  SCSK株式会社 部長

  ・2020年07月22日

  「EUのおっかさん」とも言われるメルケル首相だが、その真の姿は歴とした理学博士である。徹底したデータ駆動型のコロナ対策によって感染者数の増大と医療崩壊を防いだことでその手腕が改めて証明された。
  
  ただでさえブレグジットによるEUの危機に直面している最中のこの状況で、前例のない連帯を成し遂げたのは歴史の反省に基づくところが大きいであろう。
  
  第一次世界大戦の終結と、全人口の30％が感染し5％が命を落としたと推計されるスペイン風邪の流行が同時期なのは決して偶然ではなく、パンデミックによって否応なしに戦争を終わらせざるを得なくなったともいえる。そしてそこに襲い掛かる不況がナチスを生み、その後の悲劇につながったという深い反省がEUにはある。
  
  あの悲劇を決して繰り返すまい、とするEUの強い意志と行動力が示されたと言えるのではないだろうか。その中心となるのは紛れもないドイツである。