[チューリヒ 21日 ロイター] - スイスの金融大手UBS<UBSG.S>の第2・四半期決算は11%の減益だた。取引が活発化したが、国内リテールや法人金融の不振を補えなかった。

エルモッティ最高経営責任者(CEO)は「環境は引き続き厳しく、変革のペースを上げ、顧客や社員、業務展開地域を支えていくと同時に戦略上の優先事項に引き続き注力する」と述べた。

第2・四半期の純利益は12億3000万ドル。UBSがまとめたアナリストのコンセンサス予想(9億7300万ドル)は上回った。

UBSは、富裕層向けのウェルスマネジメント事業に軸足を置き、投資銀行業務やスイス国内のリテール・法人金融事業の比重は少ないため、新型コロナウイルスの影響は欧州の同業より小さく、第1・四半期は40%の増益だった。

第2・四半期の営業利益は2%減。貸倒損失費用を2億7200万ドル計上した。

第1・四半期の利益を押し上げた富裕顧客の取引は、第2・四半期も活発だったが、3月の市場急落に伴う資産価値下落で、米国顧客を中心に手数料収入が減少し伸びが鈍化した。

ただ市場上昇を受けウェルスマネジメント部門の資産は第1・四半期から11%増え2兆6000万ドル近くとなった。

投資銀行部門は税引き前利益が43%増加。アドバイザリー業務は不振だったが、活発な取引が寄与した。

市場部門では、外為、金利、クレジットの取引収入が118%増の8億4700万ドルとなったものの、比重の大きい株取引の収入は9%減少し9億7400万ドルとなった。