SARS-CoV-2-specific T cell immunity in cases of COVID-19 and SARS, and uninfected controls

コメント

注目のコメント

• 三嶋 雄太

  再生医療・幹細胞生物学研究者

  ・2020年07月19日

  SARS-CoV2に限らず、これまで経験したウイルス間の共通部分に対する複雑な交差性をもった免疫記憶が存在している可能性を支持するレポート。既に過去のウイルスによって今回のウイルスに対抗力のある記憶免疫を形成しているとしたら、所謂 Factor-X の強力な候補なのかも知れません。類似の仮説が他でも検証されると、この仮説もより支持できるものになります。
  
  それは待つとして、集団免疫獲得に関わる議論になると、やはり抗体(B細胞)の部分だけ追っていても議論できる展開に限界があり、T細胞免疫まで考慮できるサイエンスの次元のデータを揃えないと最終的に納得できる結論は出せないと感じます。
  
  ただ、キラーT細胞をはじめとして、ある方のT細胞免疫力を予測したり、計測するのは抗体で推測(計測)できるよりはるかに難しい。
  詳細は省きますが、免疫拒絶の主な原因にもなるHLA(MHC)が個々人で異なり、敵の情報はこの分子の上にうまく提示されて反応できる仕組みのため、個人差が大きくなります。
  
  人種によって偏りはありますが、HLAには赤血球のABO型とは比べられない数のバリエーションがあります。