[香港 16日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は、国際通貨基金(IMF)に対し、特別引出権(SDR)の一般配分を通じて加盟189カ国に数千億ドルの流動性を供給するよう求めた。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙への寄稿で、各国の新型コロナウイルス対策を支援するためにはSDRの発行が必要と指摘。「SDRの一般配分はIMFの危機対応に欠落している部分だ」と述べた。

SDRの発行は中銀が新たに貨幣を増刷するようなもので、IMFは2009年に世界金融危機の影響を緩和するために2500億ドルのSDRを加盟国に発行した経緯がある。

SDRの発行を巡っては著名なエコノミストや多くの財務相などが支持しているものの、IMFの主要な決定に対して拒否権を持つ米財務省は反対している。

易総裁は、SDRの配分で加盟国の外貨準備、および購買力が底上げされると指摘。「100年に一度の危機への、迅速でかつ実用的、公平で低費用の対応になる可能性がある」とし、特に途上国の支援になり得るとの考えを示した。

*内容を追加しました。