[台北 16日 ロイター] - 半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW> <TSM.N>が発表した第2・四半期決算は、純利益が81%増の1208億台湾ドル(41億ドル)と、過去最高を記録した。

高性能半導体の需要が旺盛だった。リフィニティブがまとめた市場予想の平均1118億3000万台湾ドルを大きく上回った。

売上高は34.1%増の103億8000万ドル。同社の予想レンジは101億ー104億ドルだった。

同社は、第3・四半期の売上高が最大で前年比22%増の115億ドルになる可能性があるとも表明。

ウェンデル・ファン最高財務責任者(CFO)は会見で「当社の業界トップの5ナノ、7ナノメートル技術に対する力強い需要が事業を支える見通しだ。第5世代(5G)スマートフォン、高性能コンピューティング、IoT(モノのインターネット)関連の需要が背景だ」と述べた。

今年の設備投資計画も160億ー170億ドルと、従来予想の150億ー160億ドルから引き上げた。昨年は149億ドルだった。

米国の輸出規制により、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]からの受注はできなくなったが、損失分の穴埋めは順調に進んでいるという。

TSMCは5月にファーウェイからの新規受注を停止。9月15日以降はウエハーを出荷しない計画という。

同社は5月、米アリゾナ州に120億ドルを投じて工場を建設する計画を発表した。同工場では5ナノメートルの半導体を生産する予定。生産開始は2024年、月産2万枚のウエハー生産を目指す。

同社は、今年の世界の半導体受託生産市場が10%台半ばから後半のペースで拡大すると予測。従来予想は1桁台後半から10%台前半だった。

TSMC株は今年10%上昇。株式時価総額は3200億ドルと、米インテル<INTC.O>の2490億ドルを上回った。

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