[16日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が16日発表した6月の雇用統計は、失業率が7.4%と、前月の7.1%から悪化し、1998年11月以来の高水準を記録した。

労働参加率は1.3%ポイント上昇し、64.0%だった。

4月と5月に大きく落ち込んでいた就業者数は、前月比21万0800人増えた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は約11万2000人の増加だった。

労働参加率は4月以来の高水準。新型コロナウイルスの流行で失職した人が職探しを始めたが、就職先が見つからないケースが目立つ。

就業者数は増加したものの、内訳ではパートタイムが急増しており、フルタイムは3万8100人の減少となった。

同国では3月下旬以降、厳しい移動制限で事業活動が制限されていたが、5月下旬から経済活動が段階的に再開されている。

これを受け、6月の月間労働時間は4%増加した。ただ3月の水準は大きく下回っている。労働者1人当たりの週平均労働時間は31.1時間。5月は30.4時間だった。

<失業率は高止まりへ>

同国は約30年ぶりの景気後退に直面。豪準備銀行(RBA)は、来年末まで高失業率が続くと予想している。

エコノミストは、政府の給与補助制度「ジョブキーパー」がなければ、失業率は11%を大幅に超えていたと試算。同制度は近く打ち切られるとみられており、失業率はしばらく高止まりするとの見方が多い。

ビクトリア州で新型コロナの感染が再び拡大していることも懸念要因。

UBSのエコノミスト、George Tharenou氏はリポートで「厳しい雇用情勢が続くと予想している。第4・四半期に再び悪化し、失業率は8%に上昇するだろう」と指摘した。

フライデンバーグ財務相は今月23日に公表する「ミニ予算」でジョブキーパー制度の打ち切りを発表する可能性が高い。多くの地域で経済活動が再開していることが理由だ。

エコノミストは、就業者が新型コロナ流行前の水準に戻るのは来年初め以降になると予想している。

AMPのエコノミスト、Diana Mousina氏は「失業率は年内に8.5─9%前後に達するだろう」とし「当面は財政支援策の継続が必要だ」と述べた。

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