[14日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェース<JPM.N>が14日発表した第2・四半期決算は減益となったものの、トレーディング収入の急増を追い風に1株利益は市場予想を上回った。

一方、米国内で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、今後貸し倒れが増える可能性に備え89億ドルの引当金を積み増し、損失準備金は過去最高の105億ドルに達した。

純利益は46億9000万ドルに減少。しかし、1株当たり利益は1.38ドルと、リフィニティブのまとめたアナリスト予想の1.04ドルを上回った。

収入は15%増の338億ドルで、予想を上回った。

トレーニング収入は77%急増。同四半期の米金融市場の取引高は過去最高水準に拡大したことが見込まれている。

世界中銀が新型コロナ対策として実施する大規模な国債買い入れ策を背景に、債券トレーディング収入は73億ドルに達した。

純金利マージンは1.99%と、前四半期の2.37%から低下した。

ダイモン最高経営責任者(CEO)は、コロナ禍を受けたリセッションは通常とは異なるとし、景気後退の明確な兆候は来年初旬ごろに台頭する可能性があるとの見通しを示した。

パイプザック最高財務責任者(CFO)は「前四半期と比べて、第2・四半期の引当金の積み増しはより長期にわたる景気低迷、状況がわれわれの基本シナリオよりも悪化した場合に備えるものだ」と語った。

JPモルガンは、米失業率が来年上期まで2桁台で推移すると予想する。

ダイモンCEOはまた、「経済情勢が実質的かつ著しく悪化しない限り」、配当金支払いを継続する方針を示した。ただ、自社株買いは少なくとも第3・四半期末まで停止している。

JPモルガンの株価は午前の取引で約1.3%上昇した。