[東京 8日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の古澤満宏副専務理事は8日、新型コロナ対策に伴う公的債務が世界的に膨れ上がる現状について「非常に危惧している」との認識を示した。対策の必要性に理解を示す一方で、「景気回復が軌道に乗ったところで(債務を)解消していくことが重要」との考えも併せて述べた。コロンビア大学ビジネスセミナーで語った。

IMFによると、コロナ対策に伴う財政措置は約11兆ドルに上り、世界の公的債務は2020年に対GDP(国内総生産)比で初めて100%を超える見通し。

古澤副専務理事は「経済が(回復)軌道に戻り次第、公的財政を管理するための中長期的な枠組みを作る必要がある。これはIMFの政策提言の中でも最優先課題だ」と述べた。

債務問題を巡っては、講演に同席したアジア開発銀行(ADB)の浅川雅嗣総裁も「悪化した財政をいつ、どう議論するかは不可避。財政再建に舵を切るタイミングは遅かれ早かれくる」と語った。