[8日 ロイター] - マレーシアの格安航空会社大手エアアジア・グループ<AIRA.KL>の監査法人は、同社について強い不透明感を理由に継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)に疑念が生じていると警告した。

監査法人アーンスト・アンド・ヤング(EY)は7日夜に公表した監査報告書で、2019年のエアアジアの決算について、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)による影響や、資金調達の結果に左右されるゴーイング・コンサーンに基づいて準備されたものだと指摘した。

エアアジアが6日発表した第1・四半期決算は8億0330万リンギ(1億8800万ドル)の赤字となり、第1・四半期の赤字額としては2004年11月の上場以来最大を記録した。[nL4N2EE1NS]

同社は6月、資本基盤と流動性を強化するための資本増強に関する提案を精査していると発表した。

アフィン・ホワン・キャピタルのアナリスト、アイザック・チョー氏は7日付の顧客向けノートで、経営陣は株主割当発行などを通じた増資が急務とみられることを示していると指摘した。

エアアジアは、マレーシア証券取引所から財務悪化企業への指定を1年間猶予されたと発表。財務悪化企業に指定された場合、事業改善計画の提出が必要になる。

マレーシアでは、新型コロナで打撃を受ける可能性がある他の企業にも同様の猶予措置が適用されている。

同社は、資金調達についてはコメントしていない。

マレーシアのザフルル・アジズ財務相は6月、ロイターに対し、国内のいかなる航空会社にも金融支援は行っていないとコメント。自力で事業を継続できるとの報告を受けていると述べていた。

エアアジアは今年に入り、株価が半減している。

*内容を追加しました。