[ヨハネスブルク 7日 ロイター] - アフリカ開発銀行(AfDB)は7日、アフリカは来年、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)に伴う経済の落ち込みから部分的に回復するとの予想を示しながらも、2020・21年の経済生産は2500億ドル近く減少する可能性があるとした。

これまでのところ、アフリカでは欧米で見られるような激しい感染拡大や多数の死者が出る事態とはなっていないが、経済は世界的な衝撃の波から逃れられず、アルジェリア、アンゴラ、リビア、ナイジェリアなどの原油輸出国が大きな打撃を受けている。

AfDBは、流行前に発表した「アフリカ経済見通し」の改訂版の中で、今年下半期まで流行が続くシナリオでは国内総生産(GDP)が3.4%減少するとの予想を示した。改定前の予想は、3.9%増だった。

一方、部分的なV字回復が起きれば、来年は2.4─3%の成長が見込まれるとした。

ただ同改訂版は、「感染流行による2020・21年のアフリカのGDP損失は総額1731億─2367億ドルと推定され、2021年に見込まれる回復では埋め合わせきれない」と指摘した。

さらに先行き不安としては、流行悪化の可能性、コモディティー価格の低迷、世界的な金融環境の脆弱性のほか、今年アフリカ東部に甚大な被害をもたらしたバッタの大量発生のような自然災害などのリスクがあるとしている。