[ボストン/デンバー 6日 ロイター] - 米シェール産地とメキシコ湾を結ぶ石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」に稼働停止命令が出されたことを受け、米独立系製油会社フィリップス66<PSX.N>など同パイプラインへの大口出資者は数億ドル規模の支払いを求められる可能性がある。

既出米首都ワシントンの連邦地裁は6日、シェール産地のノースダコタ州バッケンと中西部およびメキシコ湾岸を結ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」を30日以内に稼働を停止するよう、運営会社のエナジー・トランスファー<ET.N>に命令。エナジー・トランスファーにパイプライン工事と運営を認めた際に条件付けた、陸軍工兵隊によるルート上の先住民居住地域の環境影響評価(アセスメント)が不十分で、環境汚染の懸念があると説明した。

ダコタ・アクセス・パイプラインは昨年の債券発行で25億ドルを調達。ダコタ・アクセスLLCとエナジー・トランスファー・クルドオイルLLCが債務返済を保証した。この債務に対するバックストップとして、パイプライン事業に反対する判決が下された場合にダコタ・アクセスLLCの出資者が持ち分を提供するとの合意がなされていた。

2019年のムーディーズのリポートによると、ダコタ・アクセスLLCの出資者とその持ち分は、エナジー・トランスファー(38%)、フィリップス66(25%)、エンブリッジ<ENB.TO>(28%)、マラソン・ペトロリアム<MPC.N>(9%)。

米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、フィリップス66は5月時点で出資者の合意に基づく同社の拠出額は最大6億3100万ドル程度になると明らかにしていた。マラソン・ペトロリアムの拠出額は最大で2億3000万ドルという。