[東京 7日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は今年4月以降に複数の金融機関から融資を受け、総額約8326億円の資金調達を行った。同社が6日公表した2020年3月期有価証券報告書で明らかにした。5月28日の決算発表時には新型コロナウイルスへの対応として4―5月に7126億円を調達したと発表していた。同報告書では、西川広人前社長に役員報酬と過去の制度に基づく退職慰労金の未払い分を合わせた4億1200万円が支給されたことも判明した。

西川前社長への支給額のうち、07年に廃止された制度における退職慰労金の未払い額が1億1400万円、報酬委員会の決定に基づいて支払われる報酬2億円を含む総報酬が2億9800万円。西川氏は17年4月に社長就任後、株価に連動して支払われる報酬を不当に多く受け取ったとして昨年9月に辞任した。株価連動型報酬で不正に受け取った約4700万円は返納済み。

自動車事業の3月末時点の手元資金は1兆4946億円。販売金融事業も合わせた会社全体での未使用のコミットメントラインは約1兆3000億円としており、決算発表時と変更はない。内田社長は決算発表時、手元流動性は「現時点で十分確保できている」との認識を示していた。