[トロント 5日 ロイター] - カナダ経済について、債務の持続性への懸念が増大しても景気拡大を優先すべきだとの見方がアナリストの間に出ている。モルノー財務相は8日に現在の財政状況について説明し、今後の方針を示す見込みだ。

エコノミストは、経済の回復とともに財政赤字拡大の要因となる一部の支援措置が縮小され、業務再開を促す措置や景気支援策が打ち出される可能性を指摘している。

ロイヤル・バンク・オブ・ カナダのチーフエコノミスト、クレイグ・ライト氏は「これほどの大規模赤字に対する唯一の解決策は成長だ。成長重視のアジェンダへ移行する必要がある」と指摘した。

国際通貨基金(IMF)は今年のカナダ経済は8.4%のマイナス成長と予測。カナダ政府は新型コロナウイルス対策ですでに1500億カナダドルの支援措置を打ち出している。

ライト氏は「政府支出は、過去よりも将来の経済に向けて調整されることを明確にしなければならない」と主張した。

フィッチは6月、巨額のコロナ対策を理由にカナダの格付けをトリプルAから引き下げた。