独立記念日に米大統領が異例演説 再選意識、左派や中国批判
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トランプ大統領のいつもの演説。支持集会ではないのでアドリブはなし(その分「のっている感じ」もなし)。前後のセレモニーは例年通りの独立記念日の派手さ。
異例かどうかはともかく、トランプ大統領の演説に力が入っていなかったことが気になった。このところの支持率低下やコロナ問題、BLMなど、左派を攻撃するだけでは責任転嫁出来なくなってきた焦りなのかもしれない。
最近トランプ大統領が叩かれてますので、国民もちょっとはリベラルになったかなと思いきや、逆かも知れません。なんとゲーブルTVのトップ5が保守ネットワークFox Newsの番組が制し、プライムタイムではリベラルCNNの倍ほどの視聴数になっています。
なかでも驚異的に伸びているのがタッカー・カールソンです。ケーブルTVで最も視聴率が高く、平均400万人の視聴者と、YouTubeでは、前四半期で6000万回以上の視聴です。Fox Newsの特徴はモノローグで、番組ホストが視聴者に向かってリズムよく時事解説をしますが、カールソン氏は、政府が略奪を取り締まらなかったなどとトランプ政権さえも非難し、BLMを支持した中道派の共和党議員を名指しで批判しています。最近、BLM批判が酷かったので、企業に広告を取り下げられたりしていますが、2024年の共和党大統領候補の噂もでており、共和党議員らは毎晩カールソン氏の番組をみて、政策アジェンダを決めているそうです。
同氏は国境警備、銃規制反対、保守判事の任命、減税、規制緩和などトラディショナルな保守思想を持ってますが、同じ共和党でも戦争を繰り返してきたネオコンを嫌い、保護主義的な経済政策を支持しています。番組ではよくグローバル企業の資本主義を批判し、以前ベーシックインカム派のアンドリュー・ヤン氏や黒人で民主社会主義者のコーネル・ウエスト教授(ハーバード大)がゲストにきたときは、企業の利益を優先している政治家がミドルクラスの生活を崩壊させているという主張に関して、同意する点が多いと言っていました。その意味ではアンチ・エスタブリシュメントのトランプ氏と同様、ナショナリズム・ポピュリズムの色が濃いです。
少し前に白人夫婦が自宅玄関先でBLMの抗議運動家らを銃で威嚇した事件についても、正当防衛であり国民の権利であると主張し、他のメディアから批判されていましたが、多くの視聴者がその主張に納得している事は紛れもない事実だと思います。そう考えると、トランプの支持率が下がってきたのは、保守過ぎるからではなく、その逆かも知れません(同氏はブッシュ政権時代の2001年から2009年まで民主党ですし)。事実、BLM運動が盛んになる中で、トランプ氏はこれまで以上に支持基盤に向けた反リベラルメッセージを出し続けています。