[モスクワ 3日 ロイター] - ロシアのムラシュコ保健相は3日、国内で新型コロナウイルス感染拡大が続く中、国民の日常生活は少なくとも来年2月までは通常状態に戻らないとの見解を示した。

ムラシュコ保健相はインタファクス通信のインタビューに対し、「コンサートに出掛けたり、普通に働いたり旅行に行ったりする通常の生活は、来年2月まで戻らないと考えている」と述べた。ただ、来年2月とした根拠については明らかにしなかった。

ロシアは新型ウイルス感染拡大抑制に向け国際便の運航停止を8月まで延長するなどしたが、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)などの条件付きで、レストランやジムなどの営業再開は許可。国内旅行も解禁されている。

ロシアの新型ウイルス感染者数は累計で66万7883人と、世界で3番目に多い。ただ死者数は9859人と、他の国に比べてかなり少なく、統計の取り方に疑問が出ている。

首都モスクワの保健当局は先月、5月の死者数は前年同月から約50%増加したと発表。ムラシュコ保健相は全国規模の5月のデータはまだ集計されていないとしながらも、新型ウイルス感染拡大により国内の死亡率は年初以降、1.5─2%上昇していると明らかにした。

ムラシュコ保健相は現時点で3500人を超える患者が人工呼吸器を装着する治療を受けていると指摘。「深刻な」数値だと述べた。