[東京 3日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比74円37銭高の2万2220円33銭となり、続伸した。朝方は前日の米国株高を好感して上値を追って始まったが、買い一巡後は伸び悩んだ。国内外で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、経済活動の活発化への期待がやや剥落している。週末前ということもあり、前場の東証1部の売買代金は約8106億円にとどまった。

2日に米国で発表された6月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から480万人増と、1939年の統計開始以降で最多。ロイターがまとめた市場予想300万人増を上回った。

米雇用統計について、良好な結果という受け止めも多い一方、「今回の数字は新型コロナ感染が再拡大する前の状況を反映している。今後、経済回復度合いの鈍化への懸念が出てくる可能性がある」(三井住友トラスト・アセットマネジメントのシニアストラテジスト、上野裕之氏)との指摘もある。東京時間は続伸してスタートしたが、前引けにかけて上げ幅を縮小した。

市場からは「マクロの経済指標の改善が続く中、目新しさがなくなってきたのかもしれない。目先は今後発表される企業決算に関心が向かっている」(国内証券)との声も聞かれた。

TOPIXは0.14%高で午前の取引を終了。業種別では、その他製品、精密機器、情報・通信などが値上がり率上位に入った。個別では、ソフトバンクグループ<9984.T>が続伸し、しっかりした動き。出資先の米保険・レモネード<LMND.N>が2日上場し、急上昇したことが好感された。

東証1部の騰落数は、値上がりが988銘柄に対し、値下がりが1077銘柄、変わらずが101銘柄だった。

日経平均は高値もみあい。朝方は米株高を好感して上値を追って始まったものの、買い一巡後は伸び悩んでいる。

市場では「新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の抑制が懸念されるほか、週末に加え今晩の米株市場が休場であることから、見送られているようだ。後場はさらに小幅の値動きになるとみられる」(野村証券・エクイティ・マーケットストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれた。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比120円95銭高の2万2266円91銭となり、続伸してスタート。前日の米国株式市場の上昇を受けて、幅広く買い優勢となっている。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、このところの相場のリード役となっている東京エレクトロン<8035.T>、任天堂<7974.T>、NEC<6701.T>などが売り買い拮抗。ソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>などが小幅の買い越しとなっている。

また、トヨタ動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>など主力輸出株は売り買いまちまち。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株は小幅の買い越しとなっている。

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