[30日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁とアトランタ地区連銀のボスティック総裁は30日、労働市場を含む経済情勢を分析する際、ダイバーシティー(多様性)のほか、構造的な人種的不平等を念頭に置く必要があるとの認識を示した。

カシュカリ総裁は、人種と経済モビリィティーに関するオンライン会議で、失業の算出に米国で利用されている標準的な手法では、異なるグループのそれぞれの経験を捉えられていないとし、完全雇用について評価する際は、偏った見方をしないようにする必要があると指摘。「働きたいと思っていても労働市場の参加できていない多くの人々が統計から漏れているため、失業率の数値に重大な瑕疵があるのは明らかだ」と述べた。

ボスティック総裁は、異なるグループが経済の中でそれぞれどのように活動しているのか、FRB当局者はこれまで以上に言及するようになったとし、FRBは特定のグループを対象とした政策措置を導入することはできないものの、人種的不平等が焦点から外れることはないとし、「FRBはある意味で生まれ変わった。世の中が前進する中、FRBが後退しないようにする」と語った。

ボスティック総裁は地区連銀総裁の中で唯一のアフリカ系米国人。カシュカリ総裁とともに、人種差別と人種的不平等についてこのところ多く発言している。