(ブルームバーグ): 米マイクロソフトは全世界でフェイスブックとインスタグラムへの広告支出を停止した。事情に詳しい関係者が明らかにした。不適切なコンテンツの隣に広告が表示されるのを懸念しての判断だという。

パスマティクスのデータによると、マイクロソフトの昨年のフェイスブック広告支出額は推定1億1600万ドル(約125億円)で、フェイスブックにとって3番目の広告主だった。内部情報であることを理由に関係者が匿名で語ったところによれば、マイクロソフトは当初、5月に米国での広告支出を停止し、現在はその措置を全世界に拡大した。

同社の措置についてはアクシオスがこれより先、クリス・カポセラ最高マーケティング責任者(CMO)が社内のメッセージボードに載せたコメントを引用して報じた。カポセラ氏に電子メールでコメントを要請したが、返答は得られていていない。

フェイスブックはヘイトスピーチ(憎悪表現)のほか、社会的な分断や誤った情報の拡散を狙った投稿を抑制する対応が不十分だとして、同社運営アプリでの広告支出を制限する企業が続出している。

ただマイクロソフトの懸念は単に特定のコンテンツの隣に広告が配置されることに関連しており、フェイスブックのポリシーに異議を唱える性質のものではないと、関係者は話した。マイクロソフトはフェイスブック、インスタグラムの幹部と支出再開に向けた話し合いを行っているという。

原題:Microsoft Pauses Facebook, Instagram Advertising Spending (1)(抜粋)

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