【ラオックス社長】社員が半分になっても「我々は前に進む」

2020/7/1
外国人観光客によるインバウンド消費は、この7年は毎年、過去最高を更新し続け、2019年は4兆8000億円にまで拡大した。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でそのトレンドは、一気にストップした。日本を訪れる外国人観光客は4月・5月とも、前年比99%マイナスという“異常事態”が続いている。
ホテル、デパート、航空業界などインバウンドに関わるビジネスは、ことごとく大きな打撃を受けている。
こうした状況は、中国人観光客の「爆買い」需要をとらえて急成長を遂げた、免税店大手・ラオックスも変わらない。
インバウンド市場で大きな存在感を見せてきたラオックスは、これからどこへ向かうのか。
NewsPicks編集部が羅怡文社長に迫った。
羅怡文(ら・いぶん)ラオックス代表取締役
1963年中国・上海生まれ。1989年に来日。東京大学大学院経済学研究科に在籍中の1992年、中国語新聞『中文導報』創刊。1995年に中文産業、2006年に上海新天地(現・日本観光免税)を設立。2009年8月にラオックス社長に就任。57歳

観光客激減「1年は続く」

ラオックスの業績不振に歯止めがかかっていない。
コロナが追い討ちする形で、1〜3月期は連結売上高が前年比24%減の219億円。営業利益は16億円の赤字になった。免税店事業に至っては、67.6%も売り上げが減少した。
羅 1月後半から中国からの観光客が日本に来られなくなっており、第1四半期(2020年1〜3月)の業績はコロナの影響をモロに受けました。
4月・5月も、外国からの観光客が前年比で99.9%マイナスとなっています。第2四半期(4〜6月)も海外からお客様が来られない状態ですので、当然ながら影響はあるでしょう。
こうしたインバウンドが完全に戻らない状況は最低でも1年は続くとみています。
2018年のラオックス(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)