[ウェリントン 24日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利と資産買い入れ規模の維持を決定した。ただ景気リスクは下向きとの認識から必要に応じて追加措置を講じる姿勢を示した。

政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)は0.25%に据え置いた。量的緩和(QE)策の大規模資産買い入れ(LSAP)の規模も600億NZドル(387億8000万米ドル)で維持した。

ロイターのエコノミスト調査では全員が現状維持を予想していた。予想通りの決定だったが、中銀のハト派姿勢を受け、NZドル<NZD=D4>は1NZドル=0.6500米ドルから0.6450米ドルに下げている。

中銀は会合後に公表した声明で「金融政策委員会は、必要に応じて追加の刺激措置を講じる用意がある。LSAPの拡大も含め、必要に応じて追加の金融政策ツールを利用する用意がある」と表明した。

議事要旨によると、金融政策委員会は経済のリスクは下向きと判断し、「これまで実施してきた金融刺激が、(中銀の)責務を果たすのに十分か、まだ不透明」との認識を示した。

中銀は5月に資産買い入れ規模を倍に拡大し、必要なら一段の利下げや外国資産の購入を含む追加措置を講じる用意があると表明していた。

ニュージーランドは、新型コロナウイルスの感染封じ込めに成功し、他国に先駆けて経済活動を再開した。それでも経済的打撃は大きく、第1・四半期は29年ぶりの大幅なマイナス成長を記録。政府は経済の立て直しに取り組んでいる。

中銀は資産買い入れ規模を倍増させた5月の政策会合で、将来的なマイナス金利の可能性を示唆しており、投資家の注目が集まっている。

中銀は8月の会合で今後の量的緩和策や金融政策の代替手段について説明するとした。また、NZドル相場の上昇は輸出収入へを一段と圧迫していると指摘した。

ウエストパック銀行の首席エコノミスト、ドミニク・スティーブンズ氏は、景気を巡る状況は幾分改善したものの、中銀は依然、金融引き締めではなく緩和に目を向けていると指摘した。

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